オレンジ色の校舎
───────次の日。
カーテンを閉め忘れた窓から差し込む眩しい光に起こされた。ゆっくりと体を起こす。
「んー…、あ!!お風呂入ってないやっ!!」
昨日の格好のままだと気づき、慌てて飛び跳ねた。…早く入ろ。そう思って立ち上がった時、
「…ん?メール?」
ケータイがチカチカ光っていた。あたしは欠伸をしながら、受信ボックスを開いた。
「…………う、うそぉ」
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From:朱希
今日は相手ありがと。
これからもよろしく。
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受信した時間を見ると、昨日あたしが寝ついた時間だった。せ…瀬川くん、『朱希』って登録してるよ。
ダメだ。あたし、『瀬川くん』で慣れてるから…『朱希』なんてまだ無理だよ。
あたしは震える手を必死に動かしながら、『朱希』を『瀬川くん』に書きかえた。