オレンジ色の校舎
「あ…うん…あはは」
麻衣の言葉に苦笑して、瀬川くんに目を向けた。瀬川くんは悔しそうに、でも笑いながら大袈裟なリアクションをしていた。
「瀬川くん2位だったみたい。残念だったね」
「え?そっか…2位だったんだ」
「え?見てなかったの?」
「あ…うん。なんだか見とれちゃって」
「は?」
あたしの前を走り抜けた瀬川くんを見た瞬間、うまく呼吸が出来なかった。
瀬川くんの走ってる表情があまりにも真剣で、瀬川くんの流した汗が眩しくて…
一瞬だけ、チラッとあたしを見てくれた瀬川くんがカッコよくて。
「えへ…えへへへへへ」
「うわ、ちょっ…イキナリ気持ち悪いんですけど」
「麻衣ぃ〜〜」
瀬川くん、やっぱり瀬川くんの彼女になれてよかったよ。