オレンジ色の校舎
2.どぎまぎバレンタイン
「ふぅ…。寒いなぁ」
吐いた白い息が空へ向かうのを眺めながら、久しぶりの通学路を歩く。
冬休みが終わり、今日からまた学校生活が始まる。学校に近づくにつれ、あたしの胸はドキドキしていた。
「遥、あけおめー」
声を辿り振り返ると、チェックのマフラーを巻いた麻衣がいた。
「麻衣、あけおめーっ」
「冬休みどうだった?楽しく過ごせた?」
「うんっ!!クリスマスケーキも、そばもお餅もちゃーんと食べたよっ」
そう言ってブイサインをすると、麻衣は『食い物ばっかり』と呆れ顔。
「それよりさ、瀬川くんとはどうなったの?」
「ん?え、何が?」
「24日の夜、メールが来てからは何も変化はなかったの?」