オレンジ色の校舎





「せ…瀬川くん、今…」



「え…?あっ!」



イキナリ瀬川くんは顔を真っ赤にした。自分が言った言葉に今…気づいたんだ。



「ご…ごめんっ。マジごめんっ」



再び背中を向けた瀬川くん。照れると絶対に背中を向けるんだね。瀬川くん、可愛いなぁ。



「……もー浅井の顔見れねぇ」



「あ…あたしだって恥ずかしい」



「浅井…早くテントに戻ってくんね?」



「なんで?一緒に帰…」



「緊張するんだって。だから…」



「朱希ー!浅井ー!」



瀬川くんがそう言いかけた時、タイミングよくたっちーが飛んできた。



「どうした、健真?」



さっきとは違い、平然な表情を装いたっちーに接する瀬川くん。



「飯食いにテント行きたいんだけど、もう話は終わったかっ?終わったように見えたから、声かけたんだけど」



あはは。まだ終わってなかったんだけどね。






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