オレンジ色の校舎





あたしの反論も聞かずにスタスタと前方を歩いていく一馬くん。……もうっ!



「そうプリプリすんなって」



「うるさい!」



「そういえば、女パラの後は朱希とラブラブだったみたいだな」



「ラ、ラブラブ!?」



「朱希の隣に超くっついてたってクラスの奴が言ってた。付き合ってんのバレたんじゃねーの?」



そ、そうだ。あの場にはまだ他の女パラ出場者がいたんだった。



「遥ってダイタンなんだな」



「ち…違うんだって!」



「嘘つくなよ」



「一馬くんのあほっ」



一気に一馬くんを追い越して、前を歩き出したあたし。



「おーい、遥ー」



「……何よ」



「そっち違う方向だぞ?用具室は反対方向だし」



「は、早く言ってよ!」



進行方向を変えると、クスクス笑う一馬くんが視界に入った。まったく嫌な奴!





< 325 / 574 >

この作品をシェア

pagetop