オレンジ色の校舎
あたしの反論も聞かずにスタスタと前方を歩いていく一馬くん。……もうっ!
「そうプリプリすんなって」
「うるさい!」
「そういえば、女パラの後は朱希とラブラブだったみたいだな」
「ラ、ラブラブ!?」
「朱希の隣に超くっついてたってクラスの奴が言ってた。付き合ってんのバレたんじゃねーの?」
そ、そうだ。あの場にはまだ他の女パラ出場者がいたんだった。
「遥ってダイタンなんだな」
「ち…違うんだって!」
「嘘つくなよ」
「一馬くんのあほっ」
一気に一馬くんを追い越して、前を歩き出したあたし。
「おーい、遥ー」
「……何よ」
「そっち違う方向だぞ?用具室は反対方向だし」
「は、早く言ってよ!」
進行方向を変えると、クスクス笑う一馬くんが視界に入った。まったく嫌な奴!