オレンジ色の校舎
「う、仕方ないじゃん。だけど、友達として信じてるからねっ」
「……バカじゃねーの?」
その言葉と同時に、一馬くんとの距離が近くなった。え?えええ?
「心配してくれるとか、嬉しいから」
「へ?」
「こんなバカな女友達は初めてだっての」
「一馬くん、バカは余計だよ」
「遥は俺より頭悪いじゃん」
「なにー!?一馬く…」
「………ありがとう」
お礼を言われたかと思うと、ポンッと頭を撫でられた。
「一馬くんがお礼…言った」
「俺だって人間だから」
「ぷ…あははっ、そうだね」
「お前…やっぱりさっきの礼はナシな」
「なんでー!?」
よかった。一馬くんはちゃんと自分の意志を伝えるみたい。
どうか無事に伝わりますように。