オレンジ色の校舎
「遥、遅かったじゃん」
「麻衣ぃーもう手が痛いよー」
道具を運び終わって教室に戻ると自由解散だったのか、クラスメートは半分に減っていた。
「出席番号が早いと、いいことないよー」
「これも何かの縁だよ。てゆうか今日体育祭の打ち上げがあるみたいだけど、遥行く?」
「打ち上げ?んー今日は疲れたし行かな…」
「瀬川くーん、遥行くって」
たっちーと話をしていた瀬川くんが、チラッとあたしの方に顔を向けた。
「ま…麻衣ぃ!?あたし言ってないよ!?」
「瀬川くんも行くからいいじゃない?彼氏がいるのに行きたくないの?」
「……行かせていただきます」
「じゃ、あとで。花火大会の待ち合わせ場所に6時半集合ね」
それだけ残すと、麻衣はたっちーを連れて教室を後にした。