オレンジ色の校舎





「……よかった」



そう言って、嬉しそうにあたしを見る瀬川くん。



「……?どうしたの?」



「あ、嫌…嬉しくてさ。永納が来るとは言ってたけど、浅井が本当に来るのか心配でさ…だけど、来るって言ってホッとした」



ちょっぴり照れながら、あたしから視線を反らす瀬川くん。



「せ…瀬川くんも来るの?」



「健真が強制的に参加なって。でも、浅井が来るなら…強制じゃなくても……行くし」



「あ…あたしも…せ、瀬川くんが来てくれるなら…い、行こうかなって…」



「あ…ありがとうな」



「あたしこそ…あ、ありがとう」



お互いにもじもじしながらうつ向いてしまった。沈黙が続く。だけど…この沈黙は嫌じゃない。



「じゃ、また打ち上げで!」



そして、瀬川くんとさよならをして学校を後にした。



素直な気持ちで瀬川くんと会話をすることは恥ずかしいけど、胸がポカポカするのは嬉しかった。






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