オレンジ色の校舎
「え?せ…瀬川くんが何でココに?家違う方向…」
「とりあえず、打ち上げまでの時間がヤバイから急げっ!」
訳のわからないまま、瀬川くんに手を引かれて早歩きになったあたし。ん?手…繋いでる。きゃっ。
「ごめん。俺が永納に頼んで、待ち合わせ場所にココに来た。その……やっぱり浅井に謝りたくて」
「え?」
「……実は…嫉妬、してさ」
「し、っと?」
すると、瀬川くんは立ち止まってあたしに振り返った。
「体育祭が終わってから、カズと仲良さそうに雑用させられてたじゃん。俺……ムカついて」
一度視線を反らしてから、もう一度あたしを見た瀬川くん。
「……放課後、浅井と目があった時…目を反らした。ごめん」
あの時…あたしの勘違いじゃなかったんだ。瀬川くんはあたしを見ていてくれたんだ。