オレンジ色の校舎
「本当は、さっき靴箱で謝ろうと思ったんだけど…なかなか言えなくて」
「ううん。今…こうして言ってくれて嬉しい。ありがとう」
うん、と残してあたしの手を引いて前に向き直して、歩き出した瀬川くん。
「……でも、浅井が悪いんだからな」
「???」
「不安になるくらい…カズとは仲が良いから」
「全っ然仲良くないよっ!一馬くんかなり毒舌だし…瀬川くんとのことも…あっ」
「俺のこと?」
「あはは…大したことないよっ」
「何だよー。気になる!」
言えないよ。瀬川くんとのことをからかわれてる…なんて。
「せ…瀬川くんには恥ずかしくて言えない」
「……ふーん、そうなんだ?」
拗ねてる瀬川くんがちょっぴり可愛かったから…つい、口が動いていた。
「せ…瀬川くんが好きかって聞かれて……好きって答えるの。ね?大したことないでしょ?」