オレンジ色の校舎
何度文章を打っても、CLRキーを押して消していくのを繰り返し、辿り着いたのが『はい』の言葉だった。
「…ま、緊張しちゃうのはしょうがないっか。返事を返しただけでも十分ね」
やっぱり麻衣は、あたしのことをわかってくれている気がする。
「でも、次からはしっかり返すんだよ?」
「へ…へい。が…頑張りますぜ」
「あ、瀬川くん」
麻衣の言葉に慌てて振り返ると、後ろには瀬川くんが立っていた。
「浅井、永納、おはよっ」
ニコッと笑う瀬川くんに胸がキュンとなった。
「おはよー、瀬川くん」
「お…おはっ…ござ…」
だけど、あたしは麻衣みたいに普通には挨拶が出来ないみたい。
「はははっ。浅井、新年早々噛みすぎー。今年もよろしくね!」
瀬川くんはそう言うと、たっちー達の元へ行った。瀬川くんに、笑われちゃった。