オレンジ色の校舎
「誰かさんへ届けた気持ちが、裏目に出て人気につながったのね。可哀想な瀬川くん」
じろーっとあたしを見て、唐揚げを一口でぱくりと食べた。
「ん、美味い」
「ま…麻衣」
「あら、こっちにも唐揚げ発見」
「もう、麻衣ってばっ」
「ねぇ、遥は浅井くんのこと気になったりしてる?」
イキナリ意味深な質問を突きつけられて、あたしは思考停止した。
「そ、んなわけないよ。あたしは瀬川くんだけが…」
「そうよね。ほら、浅井くん来たよ」
麻衣の言った通り、一馬くんが登場した。瀬川くんとたっちーの元へ向かっていく。
「……麻衣」
「ん?」
「何かあったの?」
おかしい…何かおかしい。麻衣がいつもの麻衣じゃないよ。