オレンジ色の校舎





「遥、唐揚げまだ食べる?」



「あ…じゃああと2つ食べていい?それから…」



「ちょっとだけあたしに付き合ってくんない?」



麻衣からこんなことを言い出すのは珍しい。やっぱりあたしの勘は当たっていたのかも?



あたしはダッシュで唐揚げを食べた。その間も麻衣のしぐさが気になって仕方なかった。



そして、さくら花の外へ出た。夜風が気持ちが良くて、少しうっとりしてしまった。



「……あのね、元カレと会った」



夜風と共に麻衣の言葉があたしの元へ運ばれてきた。あたしは迷わず麻衣を見た。



「てゆうか、今日……体育祭に来てた」



麻衣の長い髪があたしの心をくすぐる。



「まだ好きだって言われた」



遥、あたしを助けて……って。麻衣の綺麗な髪から、そう聞こえた気がした。






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