オレンジ色の校舎





「あの時は悪かった。……だけどまだ永納が好きだ。もう一度付き合ってくれ、って」



いつか言ってたっけ?中学の時、彼氏がいたって。たっちーがすごく妬いていた気がする。



「あたしはもちろん断った。あたしにはたっちーがいるから」



告白を断ったわりには浮かない顔をしている麻衣。



「だけど……」



「だけど?」



「打ち上げに来る前に、偶然また会って。元カレが悲しい顔して近づいてきたと思ったら…」




『キスした』




「あたしはすぐに離れた。だけど……嫌じゃなかった」



麻衣の浮かない顔の理由がわかった。だけど、あたしは一点を見つめたままだった。



「最低なことをしたのはわかってる。だけど、少しだけ気持ちが蘇ってきたの。元カレを好きだった頃の気持ちが」



麻衣は気づいているの?



「どうしよう…遥」



たっちーがわけもわからずこっちを見ていることを。






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