オレンジ色の校舎
「麻…」
「どういう……こと?」
遅かった。麻衣に伝える前にあたし達を見ていたたっちーが動いたのだ。
「た、っちー?」
「2人がいなくなったから来たら何か…ワケわかんないんだけど……今の話、何?」
「た、たっちーあのね…」
「遥、これはあたしが言うから」
麻衣にストップをかけられて、あたしは口を閉じた。
「……たっちー、あたし中学の時に海(カイ)と付き合ってた」
「……海と?」
「うん。それであたし、海に会って…海にキスされた」
たっちーの顔色が変わった。
「永納は…拒まなかったのか?」
「………」
「永……納」
「……ごめん」
いつもはツンとして前を向いている麻衣が俯いている。たっちーは驚きを隠せない様子。