オレンジ色の校舎
「…………ごめん。俺…頭悪いから今、頭ん中の整理が出来ないみたい」
「あっ、たっちーっ!」
そう言い残して、あたし達の前から走り去ったたっちー。あたしが呼ぶ声にも耳を向けない。
「………最低だ、あたし」
麻衣が歯を食い縛りながら座り込んだ。
「たっちーの頭の悪さのせいじゃない。アイツ、ちゃんと勉強頑張ってんだから」
「……うん」
「あたしの気持ちが悪いんだ。あたしの気持ちが少しでも海に揺れたから…どうしよう」
麻衣の肩が震えている。あたしは出来るだけ優しく麻衣の肩を撫でる。
「大丈夫だよ、麻衣。きっと大丈夫だから。……ね?」
「遥……」
「だから…2人が落ち着いたら、ちゃんと話しなくちゃね」