オレンジ色の校舎
「でもっ…」
「あたしは麻衣の傍にいるから、瀬川くんと一馬くんはたっちーの傍にいてあげてくれる?」
「浅井…」
「その方がたっちーも…いいと思う。だから、たっちーが何か話したら何も言わないで聞いてあげてね?」
これがいい対応なのかはわからない。だけど、余計に首は突っ込まない方がいいと思うんだ。
「……朱希、そうしよう」
「あ、あぁ」
「あ、それから遥」
了解したのかと思ったら、一馬くんに呼び止められた。
「遥のおかげでちゃんと親父に話せたから」
「えっ?本当?」
「あぁ。俺、S大行けるかも」
いつもは見せない嬉しそうな表情を浮かべた一馬くん。
「ま、そういうことだから」
「わかったっ」
「カズ、それ何の話だよ?」
「わかったって。朱希にも話すから」