オレンジ色の校舎





「いたっ!もう、遥と麻衣どうしたの?」



「いなくなっちゃったから心配したよーっ?」



あたし達が2人でいると、クラスメートのコが呼びに来た。



「ごめんね、遥の恋の相談にのってたらこんなに長引いちゃって」



「ま…麻衣!?」



しーっと人差し指を立てた後、舌を出して笑った麻衣。……もうっ今回だけだからね。



「えー?遥の恋バナ聞きたいっ」



「あたしもあたしも!!」



「こ、恋じゃなくて…その…魚の鯉の話してたのっ!」



「「魚の鯉?」」



「あ、あたしの家の隣で買ってる鯉が元気かなぁーって。あはははは…」



あたしの必死のカバーに首を傾げるクラスメートと、お腹を抱えてクスクス笑う麻衣。



……誰のせいだと思ってんのよ。






< 349 / 574 >

この作品をシェア

pagetop