オレンジ色の校舎





それからあたし達は打ち上げに戻ったけど、たっちーの姿はなかった。



「相当落ち込んでる」



たっちーから理由を聞いたのか、あたしの近くに来てボソッと呟いた瀬川くん。



「そうだよね。だってまさか麻衣が…」



「待って。俺は永納じゃなくて、浅井のことなんだけど」



「あ、あたしっ?」



少し拗ねたような表情を見せて、口を開いた瀬川くん。



「……カズとのこと」



「か、ずまくんとは普通に進路の話をしていただけだよ。別に変な意味はないし…」



「そーそー。俺の進路相談にのっててもらっただけ」



すると、気だるそうに瀬川くんの隣に現れて座った一馬くん。



「それに、俺の好みは、誰かさんとは正反対なナイスバディなオネェサンだから」



「……ちょっと、ナイスバディじゃなくてすみませんねーっ」






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