オレンジ色の校舎





「俺、浅井と付き合ってるんだ」



シーン、と沈黙。そしてあたしも口を開こうとした瞬間、



『おめでとうっ!!』



パーンッ!とクラッカーの音と同時に、みんなの歓声が部屋中に響き渡った。



「どーりで怪しいと思ったぞっ」



「言われてみれば、朱希くんって遥のことばっかり見てたもんね」



周りのコ達が一気にざわざわと話し出す。え?瀬川くんが?



「浅井ー!黙ってたけどな、朱希から、告白するにはどうしたらいいか相談されてたんだぞっ」



1人の男子があたしへ向かって言った。瀬川くんを見ると…真っ赤っか。



「バ、バカ」



「そ、そうなの?」



「……浅井、忘れて」



嘘。そんなことがあったなんて。



「まぁ、あたしの後押しのおかげで2人は付き合えたんじゃないのーっ?」



誰かと思えば…楓ちゃんだった。






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