オレンジ色の校舎
13.後押しと約束と月
「麻衣、どうだった?」
「うん…音沙汰無し」
体育祭の次の日は振替休日で学校は休みだった。今日は学校で早速たっちーとのことを聞いてみたが…いい結果ではなかった。
「昨日、話がしたいってメールはしたけど返信はなかった」
「そっか…」
「話をしても100%解決するってわけじゃないんだけど…ね」
麻衣の言葉は正論だと思う。あたしは教室にいるたっちーに目をやった。
たっちーは、打ち上げの日と変わらず仮面でも被っているかのようにニコニコしていた。
「あんなたっちー見たくない。でもあんな風にさせてるのは…あたしよね」
面接練習にも手がつかない、と言い窓の外を眺める麻衣。その時、たっちーがチラッと麻衣を見たのをあたしは見逃さなかった。