オレンジ色の校舎
「あぁ…俺はお空からお迎えが来たようだ。じゃあな、浅…」
「ちょ…ききき来てないからっ。それに手も差し出さないで!」
魂が抜けてしまったたっちーを直ちに近くのベンチに座らせた。
「大丈夫?」
「あぁ…今度こそ本物の天使が私のことをお呼びに…」
「はい、冗談は止して正直に答えてください」
「……大丈夫なわけねーよ」
頭をくしゃっとしたたっちーの表情からは、本当に辛そうな心境が伝わってきた。
「みんなの前では明るく振る舞えんのに…永納の顔だけ見れない。……すぐ避けちゃうんだ」
たっちーの言葉を受け止めながら隣に腰を下ろした。
「それに、まさか…海が元カレなんて知らなかった」
「たっちーはその…海くんと友達なの?」
「うん、結構信頼してた奴。中学ん時も一緒に行動してたからビックリした。彼女と別れたのは聞いたことあったけど、永納とは言ったことなかったから…」
「そう、なんだ…」