オレンジ色の校舎
「あ、あげるも何も…まだ友達になったばっかりだし…」
「友達になったばっかりだからチャンスなんだよ、バカ」
「で、でも…」
今は、いい。やっと話せるようになって、前よりはマシな関係なのに…チョコを渡して気まずくなりたくないよ。
「まったく。遥ったら本っ当に意気地無しだよね」
「…おっしゃる通りです」
「そんな遥のために、今回はあたしも一肌脱ぐよ」
「…はい?」
あたしは麻衣の言葉の意味がわからなかった。一肌脱ぐ?あたしのために?
「あたしもチョコ渡す」
「ええっ!?」
「遥と一緒に、あたしもチョコ渡すって言ってんのよ」
あたしは麻衣のびっくり発言に、目を丸くした。
麻衣も一緒にチョコを渡す!?それって…あたし達ライバルじゃない?
「…もしかして、瀬川くんに渡すの?」
「は?なーんであたしが、遥の好きな人にチョコ渡さなきゃいけないのよ」
「じゃあ誰に…?」
「アイツよ」