オレンジ色の校舎





麻衣が少し頬を赤くしてチラッと見つめた相手を目で追ってみた。…って、え?



「本当に?」



「嘘なんてつかないから」



「ま…麻衣、たっちーのこと好きだったの?」



「いや、まだ。ただ、最近変に気になり始めて。中学の時は全っ然眼中になかったんだけどね」



そう、麻衣がチョコを渡すと言った相手は、あのたっちーだった。麻衣がたっちーかぁ。なんだか意外かも。



「ってことで、遥も渡すんだからね?」



「ま、待って…まだ時間が…」



「そんなこと言ってちゃ、瀬川くん他のコに取られちゃうよ?いーの?」



「よ…良くはないけど…」



「じゃ、渡すの決定。前日の13日は日曜日だし一緒に作るよ」



「へっ?て…手作り!?」



「遥…まさか市販だと思ってたの?」



あたしは小さく頷いた。だって…手作りだよ?あたしの手作りを、瀬川くんにあげることになるんだよ?



「バカ。本命なら手作りよ」



「でもさ、手作りって気持ちが重いんじゃ…」



キーンコーンカーンコーン♪






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