オレンジ色の校舎
「あたしの心配より…」
「でも、来てくれて嬉しかった。浅井が来てくれるなんて、思ってもなかったから」
「あ…う、うん」
「だけど、1人で来るのは危ないから、これからはこんな真似すんなよ?」
「でも…」
「何かあったら俺が浅井んとこに行くから。な?」
コクンと頷いたものの、やっぱり内心では納得がいかないあたし。そして、いつの間にか家の前に着いていた。
「今日はありがとな!じゃあ…」
「待って、瀬川くん!」
勢いよく呼び止めて、瀬川くんの腕を掴んであたしの方へ引き寄せた。
「……あ、したは頑張ってね。応援してるっ」
あたしは、瀬川くんみたいにおでこ合わせは恥ずかしくて出来っこない。
だから、あたしはいっぱいいっぱい背伸びをして、瀬川くんの耳元で小さく呟いた。