オレンジ色の校舎
「浅井…」
「わ、笑わないでねっ。これがあたしには限界で…」
「……超恥ずかしいんだけど」
「え?」
笑うどころか、耳まで真っ赤っかにして目線を反らす瀬川くん。
「……お前、可愛すぎ」
あたし、もう受験が終わっててよかった。だって、受験前に瀬川くんからこんなこと言われてたら…勉強なんて手につかないもん。
「あ…う…あの…」
「と、とりあえず今日はありがとう!明日頑張ってくるっ」
「お、おーうっ。ま、たねっ」
ぎこちなく会話を交わしたあたし達。瀬川くんは電柱にぶつかりそうになりながら前方へ進んでいったのだった。
次の日は、ドキドキしながら太陽を見ていた。お母さんに手伝いしなさーいって何度言われても、ボーッとして太陽を見つめていた。
日曜日は、前日の夜に瀬川くんから電話が来て、安心しきったあたしはお昼まで爆睡していた。
そして起きたと同時に一馬くんが試験だと言うことを思い出し、慌てて頑張れ、とエールを送った。