オレンジ色の校舎
───────そして1週間後。
「……合格した!」
瀬川くんは見事N大に合格した。嬉しそうに合格通知を眺める瀬川くんを見ていると、麻衣に小突かれた。
「浅井くんも戻ってきたわよ」
無言で教室に入り、誰の元にも行かずに自分の席に向かった一馬くん。
………も、もしかして?
嫌な予感がして、慌てて一馬くんの元へ駆けつけた。
「か、一馬くんっ」
「あぁ、浅井」
そう言った直後、右手で自分の顔を隠した一馬くん。嘘でしょ?一馬くんもしかして本当に…?
「……試験、頑張ったけど…」
「ちょ…その封筒貸してっ!」
一馬くんの机にあった、封筒を有無を言わせずに奪い取って中身を見た。嘘だよ、一馬くんが…お、落ちたなんて…