オレンジ色の校舎
『合格通知、合格者へのご案内』
開いた口が塞がらなかった。隣にいた麻衣も。
「やべぇ嬉しい。それに、特待生で学費もかなり免除されるんだ」
──────!
一馬くんは笑っていた。右手で顔を隠しながら、照れ臭そうに喜びを噛み締めていた。
「ご、うかくしてるじゃん」
「してたら悪いのかよ」
「だって、無言で教室に来たじゃん…」
「俺が、たっちーみたいに飛び跳ねるキャラだと思う?」
いいえ、思いません。でも、一馬くん本当に嬉しそう。
「よかったなぁ、カズ!」
「ったく心配させて。落ちてたらどう声かけようかと思ったよ」
「俺が落ちるわけねーし」
そこでやっとクラスの張りつめた空気が溶けた。
「あとはたっちーと麻衣だねっ」
「……何言ってんの?あたしはもう受験終わったわよ」
「え?いつの間に!?」
「遥よりも早くに。あれ?言ってなかった?」
まさかの真実に驚きを隠せないあたしに、麻衣はごめんねと流していた。