オレンジ色の校舎
そして、次の日の放課後。
「浅井ーっ」
帰る支度をしているあたしに、須田ちゃんが叫んできた。
「お前、受験報告終わったか?」
「あ…終わりましたけど」
「よかったーっ!ちょっと手伝ってもらいたいことがあるんだけどいいか?」
「……は、はい」
「じゃ、支度終わったらあたしのとこ来てくれ!じゃっ」
須田ちゃんが去った後、チラッと麻衣の元を見る。一緒にラブリーに行く約束をしていたから、手伝ってく…
「あたし、たっちーと勉強しようかな」
……れなかった。うるうるした瞳で見つめても、麻衣はカバンでさっと顔を隠した。
「一緒にラブリーに行くって約束したのにぃー」
「予定変更。あたしは須田ちゃんの雑用には付き合いたくないわ。それよりもたっちーの勉強を見なきゃな…と」
「意地悪ー」