オレンジ色の校舎





瀬川くんから告白されて、本当に嬉しかった。いつまでも隣にいたいと思った。



だけど長続きはせず、たったの3ヶ月で終わりを告げた。



「でも、2年前の話でしょ?いい加減遥の気持ち伝えても…」



「ダメだよ。また…瀬川くんを傷つけちゃう」



別れを告げる時の瀬川くんは、本当に辛そうだった。もし今、告白したら…きっとまた、瀬川くんを傷つける。



「遥は気持ち、伝えなくて大丈夫なの?」



「うん。今は、いい。見てるだけで十分」



見つめられるだけでありがたい。同じクラスなだけでも、幸せなんだ。



「それ、気持ちを伝えない遥が可哀想な気もするんだけど」



麻衣が心配そうにあたしを見る。平気だよ、と笑ったあたしは瀬川くんを見た。



寝癖…ついてる。瀬川くんったらたまにあるんだよね、寝癖。それがまた可愛いんだけどさ。






< 4 / 574 >

この作品をシェア

pagetop