オレンジ色の校舎
残念ね、と雑用をすることを嫌がる麻衣。あたしがショボくれていると、
「麻衣ーっ、俺とのデートを優先してくれるのかぁ?」
たっちーが飛んできた。麻衣は一瞬にして怪訝そうな顔になり、
「んなわけないでしょ。早く図書館に行くわよ」
と言ってあたしにバイバイと交わし、カバンを片手に教室を出て行った麻衣。
「麻衣のバーカ、アーホッ。意地悪女ぁ!」
呟きながらドアを見つめているとまさかの麻衣が戻ってきた。
「……忘れ物してただけだから。まぁ、別にあんたに悪口言われて来た訳じゃないから」
「ひ…ひぃっ」
あたしをギロッと睨み、教室を後にした麻衣。お…恐ろしい。
「あーさい!」
次は誰?と振り返ると、瀬川くんがニコッとしてあたしの元に走ってきた。
「ど…どうしたの?」
あたしは、今も瀬川くんの前では恥ずかしくて俯いてしまう。