オレンジ色の校舎





残念ね、と雑用をすることを嫌がる麻衣。あたしがショボくれていると、



「麻衣ーっ、俺とのデートを優先してくれるのかぁ?」



たっちーが飛んできた。麻衣は一瞬にして怪訝そうな顔になり、



「んなわけないでしょ。早く図書館に行くわよ」



と言ってあたしにバイバイと交わし、カバンを片手に教室を出て行った麻衣。



「麻衣のバーカ、アーホッ。意地悪女ぁ!」



呟きながらドアを見つめているとまさかの麻衣が戻ってきた。



「……忘れ物してただけだから。まぁ、別にあんたに悪口言われて来た訳じゃないから」



「ひ…ひぃっ」



あたしをギロッと睨み、教室を後にした麻衣。お…恐ろしい。



「あーさい!」



次は誰?と振り返ると、瀬川くんがニコッとしてあたしの元に走ってきた。



「ど…どうしたの?」



あたしは、今も瀬川くんの前では恥ずかしくて俯いてしまう。






< 400 / 574 >

この作品をシェア

pagetop