オレンジ色の校舎
一馬くんと別れてすぐに家の中に入った。途端に玄関で座り込んでしまった。
「……傷つけた」
一馬くんも…瀬川くんも。どちらとも傷つけちゃったよ。
一馬くんにはハッキリと断れなくて、瀬川くんの前で一馬くんから離れることができなくて。
「どうしよう…」
──────絶対、瀬川くんに嫌われた。
一馬くんと抱き合ってる姿を見られた。それに…あたしは一馬くんに手を回していた。
恋愛感情じゃなくて…一馬くんが可哀想に思えて、何がしてあげられるかと思って思いついた行動だったんだ。
ポタッ。
制服に涙が染みる。自分の靴が滲んで見える。拭っても拭っても…止まらない。
──────…あたしは、瀬川くんにも一馬くんにも最低な態度をとってしまった。