オレンジ色の校舎
いつまでも玄関にいるわけにもいかず、カバンを部屋に置いてお風呂場へ向かった。
一馬くんのぬくもりが残る体。瀬川くんのあの表情が焼き付いている心。
洗う時も湯船に浸かっている時もボーッとしていた。
一馬くんがあたしのことを好きだったなんて…今まで何も気づかなかった。
ちょっと意地悪だけど、いつも瀬川くんとのことを応援して、いっぱい支えてくれてたし。
だけど本当は、恋愛感情があったってことだよね?
「あたしバカじゃん…」
だから瀬川くんは言ってたんだ。カズと仲良くし過ぎんな、って妬いてくれてたんだ。
そういう警戒心を持たなかったあたしって…ダメな奴。
「はぁ…」
大きなため息を残して、湯気を見つめていた。あたしのこのモヤモヤも空気になればいいのに。