オレンジ色の校舎
ブンブンと首を横に振りまくる。考えないようにしなくちゃっ。悪い方に考えたら…先が見えなくなる。
瀬川くんに返事を返さぬままケータイを置き、シャーペンを持って勉強体制に入った。
カリカリカリ…
「…あっ」
すっかり違うところを書いていたのだ。慌てて筆箱にある消しゴムを取り出した。
………うん、あたしは確かに取り出したんだ。
「な……にコレ?」
だけど、消しゴムは普段の消しゴムではなく…ケースに何かが挟まっていた。
紙くず?あたし何か捨て忘れてたかな?不思議に思って、消しゴムに挟まっている紙を取り出して開いた。
「………!!」
あたしは、目を見開いた。
『浅井へ
明後日の土曜日空いてる?お互い受験も終わったし、浅井がよかったらどこか行こっか。明日の帰りに話そうな』
これは、間違いなく瀬川くんの字だった。