オレンジ色の校舎

「そうだとしたら今、瀬川くんと距離を置いていることは正解だと思う」



「え？」



「彼女の遥が自分を見てないのは辛いでしょ？」



たっちーの動かすシャーペンの走る音が静かに聞こえる。



「あたしは過ちを経験したから言える。自分のしたことがどれだけたっちーを傷つけたかってことも…わかる」



「…うん」



「瀬川くんから連絡が来るまで考えてみな。本当に瀬川くんだけなのか、浅井くんには友達の感情しかないのか」



────瀬川くんは大好きな人



────一馬くんは大切な友人



あたしの中ではこれが当たり前なのに…麻衣の言葉が突き刺さる。



何で自分はこんなにも混乱してるのだろう？やっぱり少しは…



心が揺れてるのかな？