オレンジ色の校舎
その日から数日、あたしはボーッと過ごしていた。もちろん、瀬川くんとは目も合わさず、言葉も交わさない。
これが距離を置くってことなの?あたしには…わからないよ。
「大丈夫か、遥?」
それでも、前と変わらずあたしに接する一馬くん。
「う、うん」
そんな風に接されたら、あたしの気持ちは行き所が無くなっちゃうじゃん。
「朱希とはどうなってんの?」
「…それ、一馬くんが聞く?」
「聞く。だって、俺には関係あることだから」
一馬くんは真面目に答えているんだろうな。そう思うと、少しだけ笑えてしまった。
「……何笑ってんだよ」
「いや、一馬くんってこんな人だったかなぁって」
「俺は俺だ。遥に好きって伝えたから、遥が俺を見る視点が変わっただけなんじゃねーの?」