オレンジ色の校舎
──────そして、放課後。
「またな、バイバーイ!」
「早くクレープ食べに行こー」
下校時間で賑わう玄関に、どぎまぎしながら立っているあたし。うわぁ…足がカクカク笑ってるよ。
瀬川くん…来てくれるかな?約束を破るような人じゃないから来るとは思うけど…
『遥の想いを伝えなきゃ、変わらないよ』
ココに来る前に麻衣から言われた言葉。そうだよね、あたしが言わなきゃ変わらない。
────…頑張るんだ。
「………悪ぃ。遅くなった」
ドキン…
俯いていたあたしの視界に大きな靴が映った。見上げると瀬川くんがいた。
「あ…だ、大丈夫だよ」
「……帰るか?」
「う…うん」
瀬川くんとは今までに何度も一緒に帰ったのに、今日はさらにぎこちない。
唇を噛み締めて歩き出した瀬川くんの背を追った。