オレンジ色の校舎
「まだたっぷりあるよ」
ふっと笑ってあたしからコップを取ると、部屋を出ていった麻衣。近くにあった雑誌をパラパラとめくる。
麻衣も雑誌を読むようになったんだ。あんなに雑誌には興味がないって言ってたのにね。
『可愛くなる方法☆パート2』とド派手に雑誌の表紙に書かれていた。
「麻衣も…変わったなぁ」
たっちーのために頑張ってるんだね。たっちーの存在が麻衣を可愛くしてるんだ。
「オレンジお待たせー…って何見てんの、バカ遥」
オレンジをあたしに預けて、慌てながら素早く雑誌を取り上げる麻衣。
「コレ、たっちーのため?」
「……うっさい。一応彼女だから出来ることは努力したいだけ」
「ふーん。オトメだね?」
「あのさ、遥に言われたくないんだけど?」