オレンジ色の校舎
麻衣の胸の中でいっぱい涙を流した。そして、あたしが落ち着いた後は…麻衣の愚痴タイムが開始した。
「マジで大丈夫なの?って感じ」
愚痴の理由のお相手はもちろん、麻衣さんの彼氏であるたっちーのこと。
「つ・い・に、明日なんだよ、アイツの受験。あたしの方が緊張してるって」
「それだけたっちーのことを思ってるんだね?」
「当たり前じゃん。あたしが勉強教えてやってたのに、もし落ちたらそれなりの覚悟はしてもらわなくちゃ」
あ、そっちのことを思ってるんだね。でも、麻衣のおかげでたっちーは成績がかなり上がった。
あの須田ちゃんも結構見直してたみたいだし。
「恋のパワーってすごいね」
「遥、そういう風に訳さないでよね」
少しばかり不機嫌になった麻衣が可笑しかった。