オレンジ色の校舎
16.友達としての距離
「遥ちゃん、どういうこと!?」
月曜日の朝、靴を履き替えている玄関で、今までに聞いたことがない楓ちゃんの声が響いた。
「か…楓ちゃん、どうし…」
「どうしたもこうしたもないよ!さっき朱希くんに最近遥ちゃんとどう?って聞いたら、別れたって聞いたんだけど…嘘だよね?」
信じられない!という眼差しを向けて来た楓ちゃん。
「あ…うん。……ほんと」
「え!?なんでっ?」
「わ、かんない。だけど…あたしが悪いの」
「遥ちゃん、何かしたの?」
「そ。コイツ、俺と浮気しちゃったんだよ」
え。
あたしは慌てて頭上を見た。頭上から聞こえた声は一馬くんの声。楓ちゃんは口をパクパクさせる。
「あっ…浅井くんと!?」
「そうなんだよ。コイツってば」
「ちちちち違ぁーう!」
あたしは慌てて間に入った。