オレンジ色の校舎





そして廊下で、友達の肩を組んであたしの大好きな笑みを浮かべている瀬川くんを発見した。



ちゃんと…返さなきゃ。



「お…おはよう、瀬川くん」



すると、くるっと振り返ってあたしを見た瀬川くん。



「おは…」



「おぉっ、彼女のお出ましかぁ!じゃあ邪魔者は退散しまーすっ」



あたしが挨拶をしただけなのに、友達たちはそそくさと教室の中へ行った。



……もう、瀬川くんの彼女じゃないんだけどな。



「……悪い、アイツら…」



「ううん、大丈夫だよ」



「んで、どうしたんだ?」



「あ、の…コレ、ありがとう!」



ささっとマフラーが入った紙袋を差し出した。



「ち…ちゃんと洗濯したから、臭くないと思うから…」



「何ソレっ。俺こそごめんな。使用中のマフラーを貸して…」



「ぜ…全然!あの…瀬川くん、風邪引かなかった?」






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