オレンジ色の校舎
それから終業式まで、何事も変わりがなかった。変わったこと言えば…
あたしと瀬川くんは友達に戻ったこと、一馬くんがよく話しかけてくれること、かな。
「明日から冬休みかぁー」
校長先生の長い長いお話が終わり麻衣と教室に向かう。そう、ついに明日から冬休みだ。
「遥はバイトするんだっけ?」
「うん。近くのスーパーで冬休み期間だけね」
あたしは、お母さんの知り合いの人がいるスーパーでバイトをすることになった。
「おばちゃんパワーに負けないようにな」
「うん。麻衣はバイトするの?」
「したいんだけど…俺も同じところでバイトするってたっちーがうるさくて」
「きっと麻衣が心配なんだよ」
「ありがたいけど、やっぱりウザいよ」
ゲッソリする麻衣。