オレンジ色の校舎





「遥ちゃん、これお願ーいっ」



どこからか名前を呼ばれて、慌てて駆け出すあたし。毎日こんな感じかな。



それでも、楽しいと思えるバイトだった。社会勉強にもなるし、働く意味も味わえる。それに、おばちゃん達のトークは面白い。



「今日、3番レジに超イケメン来よったよ〜!」



「やーん!早く知らせてよぉ」



「ほんと!味見したかったわ〜」



休憩時間の異様な光景だが、キャピキャピするおばちゃん達はあたしの笑いのツボに過ぎなかった。



あたしはクリスマスもバイトに身を捧げた。



「彼氏とアツアツデートに行かないんか?」



と大山さんから冷やかしも含めて言われたが、彼氏はいませんよーと笑って返した。



麻衣と遊ぼうかなって思ったけど…麻衣にはたっちーがいるもん。






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