オレンジ色の校舎
渋々、落ちた箱と入っていた商品を拾う。よかった、卵類じゃなくて。
「手伝うよ」
隣にいた瀬川くんからふわっと優しい匂いがした。一緒に拾ってくれている。
「あ…りがとう」
「いや、俺たちも浅井の仕事を邪魔しちゃったから悪いし…」
そんなことないのに。あたしは十分嬉しいよ。
「……ったく、バカ遥」
すると一馬くんまでも拾ってくれている。あれ?一馬くん息切れしてる?
「誰かさん達が話ながら拾ってる間に、俺…あのおばちゃんに謝ってきてたんだけど」
大山さんを見ながら疲れた仕草を見せる一馬くん。嘘…謝りに行ってくれたんだ。
「あ…ありがとう」
「遥に礼を言われるってことは、明日は大嵐が来るのかもな?」
へへっといたずらっ子のように笑った一馬くん。
あれ?…可愛いかも。