オレンジ色の校舎





「遥どうした?ボーッとして」



一馬くんが顔を覗き込んできた。ドキィッ…。あたしは慌てて立ち上がった。



何で?何であたし一馬くんを可愛いとか思ってんの!?あたし変!バカバカ!



「浅井、大丈夫か?」



今度は瀬川くんが心配そうにあたしを見る。ドキィッ…。やだやだまたおかしいっ。



「遥ちゃーん!」



再び大山さんから呼び出された。よ…よかった。この場を離れられるよ。



「じゃあ、あたし…」



「お、おぉ。邪魔してごめんな。バイト頑張れよ!」



ポンッ。



まただ。また瀬川くんはあたしの肩を叩いてくれた。胸が痛むのを逃さなかった。



「遥、時間があったらさくら花に来いよ。永納とたっちーがいるからな」



「たっちーはともかく…なんで麻衣が?」



「聞いてねーの?永納、たっちーの家でバイトしてんだよ」






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