オレンジ色の校舎
「今が盛りドキよ〜?いっぱいエンジョイしなくちゃ♪あたしも高校時代は色恋沙汰がい〜っぱ…」
「遥ちゃんと大山さぁん、シ・ゴ・ト!」
あたし達の間にぬっと顔を出してきた店長。飛び跳ねて持ち場に戻った。
いっぱいエンジョイ…か。でも、今のこの時期が一番悩んじゃうんだよぉ、大山さん。
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「はい、お疲れ〜!今年もお疲れさまっ」
数日後の大晦日、店長から閉店の合図がかかり、おばちゃん達はふっと気を緩めた。
「もう今年も終わりなんて、寂しいわね」
「あ〜ん!今年も主人との旅行が実現しなかったわ〜」
「畠田さんのとこの旦那さん忙しいじゃな〜い」
様々な思いを吐き出しながら今年を振り返るおばちゃん方。あたしはこそこそと帰り支度を始める。