オレンジ色の校舎





「遥ちゃんもやっとデートができるわね〜。若いっていいわぁ〜…このこのぉ!」



大山さんが脇腹を小突いてきた。あたしは慌てて反論する。



「デ、デートなんてありませんからぁ!」



「うふふっ、この間のイケメン組またスーパーに呼んでね♪楽しみにしてるわ〜」



「大山さ…」



「「「よいお年を〜!」」」



大山さんだけでなく、従業員みんなにそう言われてあたしはスーパーを追い出された。



小さくため息をついた。デートなんて誰とも出来ないもん。…フラれちゃったし。



ふと、近くにあった時計を見て、慌ててケータイを取り出して通話ボタンを押した。



「もしもしっ。今バイト終わったよ!うん、うんわかった!今から行くねっ」



ケータイをカバンに眠らせて、あたしはある場所へと向かった。






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