オレンジ色の校舎
「あれ、呼び出しって浅井?」
瀬川くんに頑張れを言おうとした時に、タイミング良くたっちーが現れた。
「あ、うん。あたしです」
たっちーと話をしていても、頭の中では瀬川くんと話せたことばかり浮かぶ。
「なぁ、俺に用ってもしや…」
「いやあたし、たっちーにはチョコ持ってきてなくて…」
「えーショックーッ!!…って俺にはってことは、誰かには持ってきたんだよな?誰だれっ?」
「あ、いや…その…」
あたしは口ごもってしまった。うわ…墓穴掘っちゃったよ。だけど言い訳を…あ!
「ま、麻衣に!麻衣に友チョコを持ってきたのっ」
「永納?ちぇっ、女じゃんかよ!つまんないのー」
「あはは。あっ、あのさたっちー教室に行ってくれる?お願い…します」
「えっ?何かあんの?」
「それは行ってからのお楽しみってことで♪」