オレンジ色の校舎
「早かったわね」
店のエプロンをしながら、あたしを出迎えてくれた麻衣。のれんからたっちーがよっ!と片手を上げた。
そう、あたしが着いた場所はさくら花だった。ココは体育祭ぶりに来たな。
「たっちーに案内してもらって、奥の部屋行ってて?もう少ししたらあたし上がりだから」
了解、と返してたっちーに案内をしてもらうことに。
「大晦日だし朱希やカズも誘って遊ぼうって言ったんだけど、麻衣が余計なことはしないでって言ったんだよなー」
「あはは。その気持ちは嬉しいんだけど…麻衣に賛成かな。……あたしの心情的にも、ね」
「あ、悪い。俺…みんなで騒ぐことしか考えてなかったから…」
申し訳なく俯くたっちーが少しだけ可哀想に見えた。ごめんね、たっちー。
「お…お店、大繁盛してるね!」
「だろっ?そりゃあ、俺と麻衣が育んでる店だから当然だなぁ!」
……聞かなかったことにしよう。