オレンジ色の校舎
「とりあえず、出発しんこー!」
小学生の遠足じゃないんだから…というみんなの雰囲気。しかし、渋々たっちーについて行く一行。
「ねぇ、遥ちゃん!アド交しようよっ」
「へっ?う、うん」
歩きながらいそいそとケータイを取り出して、楓ちゃんと赤外線で交換した。
「やったぁ!前から遥ちゃんに言おうと思ってたんだけど…なかなかタイミングがなくて」
「ふふっ。楓ちゃんと仲良くなれた気がして嬉しいよ」
「“気がして”じゃなくて、もう仲良くなってるじゃん!」
「楓ちゃん…」
「もちろん、恋のライバルとしてもだよ?」
ふふっと笑う楓ちゃんには、ライバル宣言をされたこともあった。今、こんな関係になれていることが不思議。
「話してる時に悪いけど…遥、俺にもアド教えてくんね?」
すると、楓ちゃんとの微笑ましい会話に一馬くんが入ってきた。